研究課題/領域番号 |
26380435
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研究機関 | 駿河台大学 |
研究代表者 |
村越 一哲 駿河台大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80265438)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 乳児死亡率 / 農村女性の労働負担 / 新生児後死亡率 / 栄養改善 / 粉乳使用 / 死産率 / 妊産婦死亡率 / 1930年代 |
研究実績の概要 |
近代に入っても女性の労働負担が増えつづけたが、それにともない必要とされる消費栄養量の増加分は、所得増加により補われた。その結果、農村女性の「栄養状態」は改善され、「良好な健康状態」の女性の割合が増加し、妊産婦死亡率、死産率、さらに新生児死亡率の低下が生じた。このような内容の仮説を立てた。そのうえで、この仮説の妥当性を確かめるための準備としてつぎの作業をおこなった。 『人口動態統計 明治32年~平成9年(1899~1997)、CD-R(PDF版)』および『人口動態統計時系列データDVD』(厚生労働統計協会)のデータを用いて、まず出生、死亡および死因に関するデータベースを構築した。そのうえで、構築されたデータベースから各年次の死因が「産褥熱」、「妊娠及産ニ因スル疾患」の死亡数、出産数を抽出し、全国の妊産婦死亡率を求めた。それをさらに主要都市とそれ以外に分けて、妊産婦死亡率を求めた。あわせて、全国及び主要都市の死産数、新生児死亡数を抽出し、死産率と新生児死亡率を求めた。広義の周産期死亡率を、死産および新生児死亡の合計をを出産数で除した値として定義する。そしてそれらを妊産婦死亡率と比較する用意を整えた。さらに全国及び主要都市別の妊娠期間別死産数を抽出し、出産数で除してそれぞれの妊娠期間別死産率を求めた。あわせて乳児の死因データを抽出し、死因構造を確認した。本年度は、仮説の後半部分、つまり死亡率低下部分について詳細な分析のための準備をおこなったということができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
計画された本研究が採択され、研究が開始された26年度の4月から、学部長の職に就いたことにより、研究以外の仕事に費やすエフォートが増え、本研究にあてるはずの予定されたエフォートの実現が難しかったため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は学部長の任期終了年であり、職務にも慣れたので、予定されたエフォートをできるだけ実現することによって本年度の「遅れている」状態を取り戻し、計画どおりに研究を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
「現在までの達成度」に示したように、研究が開始された26年度4月から、学部長の職に就いたことにより、予定されたエフォートを実現することができなかった。そのため、データの入力作業、および集計されたデータの分析が予定どおりに進まなかった。前者についてはその影響が「人件費・者金」の決定金額と使用金額との間の大きな差としてあらわれ、後者については、「物品費」のうち、とくに文献や分析用コンピュータの購入ができなかった影響が両者の差としてあらわれた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、「理由」に示した、本年度使用できなかった金額を、データ入力作業および分析のための費用として使用する。
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