現在、日本を始めとする多くの先進国では「少子高齢化」に直面している。人口減少により経済が縮小し、社会が閉塞状態に追い込まれるという懸念の声もある。しかし、生産年齢人口縮小による経済的問題に直面したのは、歴史を振り返ると今回が初めてではない。 本研究では、近世日本の人口史料から、人口の減少や停滞を経験した農村と町場のデータを確認した。そして、周辺史料も用いて女性の働き方の子育てへの影響、為政者の対策などを考察し、現在および将来の人口問題を考える上での示唆も得るように努めた。結論として、女性への多大な労働負荷を回避することは歴史においても現代においても子ども数確保という観点からも重要だといえる。
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