現地調査を12回、連携研究者との研究会を2回おこない代表研究者と連携研究者がそれぞれ論文各1を作成・公表できた。 現地調査は東京大田区産業集積2回(それぞれ5月)、南知多町篠島・日間賀島1次と2次(6月、2月)、福井県嶺南・嶺北3回(7月に2回、3月)、広島県熊野町(7月)、豊橋市(12月)、尾張一宮(12月)、鹿児島県(3月)、北海道夕張・札幌(3月)であり、各地の産業集積の動向とくにグローバル化の影響について企業訪問、工場見学を丁寧に実施し、産業人、業界団体、行政の産業局などの人々に聞き取りを行った。また企業資料、市誌・産業調査統計などの行政資料を収集した。訪れた自治体の市史、町史、商工会議所年史はほとんどこの機会に収集することができた。これらの現地調査を総じての結論的認識としては、日本各地の産業集積は2分の1、3分の1に縮小しているが産業集積の崩壊に向かっているのでは決してない。グローバル化に対応した新しい強靭なビジネスモデルを確かに生み出しているということである。 われわれ二人は、これらの知見をもとに、それぞれが論文を作成し、名古屋外国語大学現代国際学部『紀要』(2017年3月)に公表した。井上泰夫「地域活性化と経済学」、塩見治人「地域産業クラスターの起源・成長・変容」である。 さらにこの共同研究は2018年3月の刊行をめどに、すでに書籍の出版作業に入っている。
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