本研究は、CSRのフロンティア領域と目されるCSV(共通価値創造)のコンセプトとフレームワークを理論的・実証的に解明したものである。
本研究を通じて、CSVは、社会課題解決に繋がる具体的な打ち手と企業の経営戦略とが表裏一体になって初めて機能する戦略コンセプトであることを明らかにした。また、社会課題解決に焦点を絞ったSV戦略が当事企業の収益力強化とコスト削減効果を生み、延いては株主価値の増大に繋がることを実証した。結果として、CSV/SV戦略は、社会課題解決のコストや対策の費用対効果を計算して見える化した戦略であり、必ずしも結果にコミットしない日本企業の「CSV」とは一線を画することを論証できた。
|