| 研究課題/領域番号 |
26380455
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
清水 剛 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00334300)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 会社形態 / 経営組織 / 経済発展 / 株式会社 / 会社法 / 国際比較 / 国際情報交換 |
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| 研究実績の概要 |
今年度はこの研究の初年度として、まずベトナム・中国・韓国における会社制度の把握と会社統計データの収集・入力を行い、またベトナムにおいては会社形態の利用に関する調査を行った。また本研究の理論的な基礎についても整理を行った。さらに、具体的な企業や法的形態に焦点を当てた研究として、継続的に行っている日本の有限会社の発展の研究を進める一方で、また中国・ベトナムにおける「企業」と「公司」との関係に焦点を当てながら中国やベトナムにおける株式会社・有限責任会社の発展についての検討を開始した。また、継時的な分析として、仏領期及びそれに続く南ベトナムの会社法の資料を収集し、会社形態がどのように変化してきたかの検討を開始している。
理論的な基礎については、事業が大規模化し、出資者の数が増加すると自動的に株主支配から経営者支配に移行するという従来の見方に対して、経営者支配に移行する理由は経営が複雑化し、組織が発展する中で、経営者を含む組織が自律的に活動することにあること、また事業の法的形態はそのような組織の自律性を保護する一方で制禦することにあると指摘したうえで、株主権を例にとって保護と制禦のバランスに関する検討を行った。これは、会社形態に関して組織という視点からその機能を分析した初めての論文であり、理論的な基礎として大きな意味があると考えている。
また、中国やベトナムの会社制度及びその発展についてはまだ検討を開始した段階であり、成果にはまとまっていないが、社会主義計画経済体制の中の「企業」の諸形態に新しく「公司」という諸形態が重なっていることや、その過程で中国とベトナムにずれが生じていることなど、いくつかの興味深い問題が浮かび上がっている。
関連して、会社制度を含む会社の法的枠組みに関して、製品のリスクマネジメントや知的財産権のあり方との関係に関する検討も進めている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた(1)各国の会社制度の把握と統計データの収集・入力、(2)具体的な会社形態の機能に関する事例に即した検討、のそれぞれについて、まず(1)はこれまである程度把握していた日本・韓国に加えて中国、ベトナムの会社制度の把握と統計データの収集を進め、中国については歴史的な発展に関する資料も見出している。ベトナム・中国の調査を先行させたため韓国での調査を行えていないが、予定通り進んでいるといってよい。また(2)についても現代のベトナム・中国における株式会社、有限責任会社の利用の状況に関する検討を開始し、さらに仏領期及び南ベトナム期のベトナム会社法に関する資料収集なども進めている。この意味で、予定通りに進展しているといえる。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画にしたがい、まず中国・ベトナムにおける会社制度の実体的な把握を進めるとともに、歴史的な統計データの収集を進め、入力する。また、韓国において歴史的な統計データの収集がまだ主として植民地期のみのため、戦後の統計データの収集を進める。ある程度資料収集が進んだ段階で、各国の状況の比較に進みたい。
具体的な会社形態や企業についても、現代ベトナムにおける株式会社・有限責任会社の利用やベトナムにおける会社制度の歴史的発展を把握する一方で、中国、韓国において具体的な企業に焦点を当てて会社形態の機能に関する検討を行う。
とりわけ韓国においては、ソウル大学校アジア研究所のカン・ミョング所長、キム・ジョンチョル研究員を中心としたアジア資本主義の発展に関する研究プロジェクトと連携して、具体的な企業に焦点を当てた会社形態の機能に関する分析を進めていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
ベトナム・中国の調査を先行させたため、韓国での調査が行えなかったため、及びデータの収集は進めたものの、データ入力作業がまだ進行中であるため
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| 次年度使用額の使用計画 |
韓国での調査を行うとともに、今年度中にデータ入力を進め、統計分析の段階に進む
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