言語的定性的ゲームの実施とゲーム進行を通じてモデルを進化させながら、問題解決において重要なリスク要因を健在化させ、リスクマネジメントの視点からよりよい意思決定を行うための気づきを促すという言語的定性的モデリングゲームの概念を精緻化し、その概念実証を行った。まず、汎用の言語的定性的モデリングゲームを実装できる実行系を開発し、その上で、事業拡大を目指す企業意思決定において重要な視点を獲得することを目的としたモデリングゲームを開発し、ゲーム中に提示されるアクション項目を選択しながら意思決定を行うチームと、そのチームを観察しながらゲームモデルに求められる新規のアクション項目の発見を行い、モデルに動的にアクション項目とその結果を反映させるモデリングチームの二手に同時にゲームをプレイさせ、その過程における両者の意思決定記録とゲーム後のディスカッションの結果を分析し、開発したモデリングゲームおよびその実行系が、プレイヤーにどのよな新しい気づきをもたらすか、アクションアイテムが固定的なゲームと比較して、いかなる優位性や有用性があるかを評価した。結果として、モデリングゲーム実行系は、複数のモデリングゲームを実装でき、かつモデリングゲーム進行中にモデルが進化させられること、また、モデリングゲームは、問題解決のための新しい意思決定に対する気づきを促すことが示された。後続的な研究として、情報リスクマネジメントに焦点をあて、CSIRTとして活躍する専門家とともに情報システム人材として求めらる重要な視点の獲得を促すことを目的としたゲームの開発に着手した。
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