研究課題/領域番号 |
26380460
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
鈴木 健嗣 一橋大学, 大学院国際企業戦略研究科, 准教授 (00408692)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 経営財務 / エクイティファイナンス |
研究実績の概要 |
2015年度の実績として2つの論文が査読雑誌に受理・または掲載され,2本の論文が国際的なジャーナルへ投稿中であり,学会発表を2度行った.また,国際学会発表投稿中の論文が2本ある. 査読雑誌に掲載された論文として,1本目は「企業の資本構成と資金調達」という題名で日本経営財務研究学会の経営財務研究2015年12月号に掲載された.この論文は日本企業に対しサーベイ調査を行い,日本企業の資金調達における実態が理論といかに違うかに焦点を当て,その理由について考察した論文である.2本目は「増資インサイダー事件に対する取り組みと企業の資金調達コスト」という題名で2016年4月号証券アナリストジャーナルに掲載された.この論文は,公募増資インサイダー問題が発覚したのちに行われたインサイダー取引規制,空売り規制,業界団体の自浄努力が,いかに日本企業の公募増資環境,資金調達コストに影響を及ぼしたのかについて,定量的に分析した論文である.本研究の結果では,規制や自浄努力が日本企業の公募増資時の資金調達コストを著しく低下させる効果があったことを示している.いずれの論文も本科研費の研究目的であるエクイティファイナンスの実証研究と深く関係する内容といえる. 今後は国際的なジャーナルや学会への投稿に加え,本研究課題の目標通り『(仮)日本のエクイティファイナンスに関する実証分析』というタイトルで,2016年度中の出版を目指し本の執筆を進める予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当研究課題は,おおむね順調に進んでいる.国内外の査読雑誌への投稿が行われ,国際学会での発表機会も増えている.順調に日本のエクイティファイナンスに関する実証研究が蓄積されていると考えられる. しかしながら,当初予定していた研究においてデータ入力等を含め遅れている部分があることや本の執筆が多少遅れていることもあり,すべて順調に進んでいるわけではない.
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今後の研究の推進方策 |
多少遅れているもしくは査読雑誌へ受理されていない研究論文はあるものの,本課題の研究計画の大きな変更を行うほどのものではない.今後は,残された研究(エクイティファイナンスに関する著作の執筆やエクイティファイナンスの意思決定に関する研究等)をやり遂げることと,すでに執筆した論文の修正・再投稿に向け研究を行っていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究が遅れていたため,データベースを購入するタイミングが遅くなり,学会発表への渡航費,英文校正費用,論文投稿料の支払いがずれ込んでいる.
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次年度使用額の使用計画 |
前半にデータベースの購入を行い,遅れていた研究を進める.本年は海外での国際学会への参加が複数回すでに決定しており,論文の投稿準備も進んでいるため,予定通り予算の執行を行うことができると考えている.
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