研究課題/領域番号 |
26380462
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鵜野 好文 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (40137394)
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研究分担者 |
井上 正 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (70151610)
高橋 与志 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (80325208)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | クラウディング・アウト効果 / 動機付け |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究計画: 平成26年度は、動機付けの締め出し効果(motivation crowding-out effect)に関する①関連文献のレビューを行うことが主たる目的であった。また、これより派生的に、②実証研究のための社会心理学系の理論枠組みおよび経営学/経済学系の理論枠組みを構築することを次の段階の目的としていた。さらに、この理論枠組みを(平成27年度予定の)実証研究で確認することを目指すが、平成26年度では、その前段階としての③パイロット・スタディの準備までを終えるものとしていた。
平成26年度の研究実績: 文献レビューに関しては、毎月ほぼ二回の定期研究会、および、年二回の全体研究会を開催し、1970~2010年の社会心理学系の実証/理論研究および経営学および経済学系の実証/理論研究を対比・検討することができた。その際、関連する20論文を翻訳し、研究代表者および研究分担者が、それぞれ、動機付けの締め出し効果の理論枠組みの構築を行った。現在、動機付けの締め出し効果の実証/理論研究のレビュー論文(ワーキング・ペーパー)を作成中である。これと並行して、さらに、この理論枠組みを基礎とする(パイロット・スタディとしての)観察実験の準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の主要目的である、実証研究および理論研究の文献レビュー(1970~2010の主要文献のレビュー)は、ほぼ達成されている。また、定期研究会等で比較・検討した実証/理論研究については、そのレビュー論文(ワーキング・ペーパー)を作成中である。平成27年度に予定している実証研究のための理論枠組みの構築もほぼ達成されている。さらに、この理論枠組みを基礎とする(パイロット・スタディとしての)観察実験も準備段階にはいっている。
平成26年度の研究計画はほぼ達成されている。ただし、レビュー論文(ワーキング・ペパー)が執筆中であること、パイロット・スタディの準備が平成27年度にかかってしまったことから、計画は「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、文献レビュー等は最新のものに限定し、動機付けの締め出し効果の理論枠組みの現実妥当性の検証およびこの理論枠組みの修正および精緻化に研究の焦点を移していく。そのため、まず、構築した理論枠組みに沿って、特定の課業組織(例えば、企業の「研究組織」における研究奨励金と研究究者の行動)に限定し観察実験(パイロット・スタディ)を行う。そして、このパイロット・スタディにより得られた実証結果に従い当初の理論枠組みの修正・精緻化を行う。さらに、修正・精緻化された新たな動機付けの締め出し効果の理論枠組みに基づき、本格的に、社会的・経済的背景の異なる複数の組織を対象として実証研究を行い、この理論枠組みの現実妥当性を検証し、さらに、精緻化を進める。そして、最終的に、実証により検証および精緻化された動機付けの締め出し効果を、特定の条件の下で、コンピュータ・シミュレーションにより再現することを試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の第1四半期に予定しているパイロット・スタディの準備を、平成26年度第4四半期に終える予定であったが、これが平成27年度にかかってしまい、計上していた予算費目(謝金・人件費等)を費消するまでには至らなかった。(しかし、平成27年度第1四半期にパイロット・スタディを準備・開始することにしている。)したがって、おおよそ、その分の予算費目額が繰り延べられることになった。これは、計画の変更にともなうものではない。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度第4四半期に準備し、そして、平成27年度の第1四半期に実施予定としていたパイロット・スタディを、平成27年度第1四半期に準備・開始する方向で予定を変更した。このことで、繰り延べとなっていた予算費目は研究計画どおりに費消される予定である。
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