本研究の目的は、取締役会特性と企業不祥事との間の双方向の因果関係を定量的に検証し、日本企業のガバナンス改革に対して学術的・実務的に貢献することであった。具体的な課題は、(1)企業不祥事の発生によって企業のガバナンス改革が進むのか否か、(2)執行役員制度や社外取締役の導入は取締役会の監督機能の強化に寄与し、企業不祥事を抑制するのか否かであった。分析の結果、企業不祥事がガバナンス改革を促すこと、および企業のガバナンス特性は企業不祥事(会計不正)に影響することが示された。研究の成果は図書1件、雑誌論文2編、学会等発表13件に結実した。
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