日本企業における賃金格差と企業業績について検証した結果、一般的傾向として、賃金格差をつけることは売上には貢献しないものの、利益ベースで貢献するという結果が出た。賃金格差の発生はコスト削減の目的をもち、生産性向上を目的とされてはいないことが示唆された。業種別に見てみたところ、大いに業種特性に影響を受け、業種ごとに異なる結果が出た。これは、業種ごとに、賃金格差の分布や効率性の分布に大きな差異があることによる。例えば、成果主義賃金制度のような賃金格差を拡大させる施策を導入する際には、各社の置かれている環境、目標としている生産性指標をしっかり見据えたうえで行うことが必要であろう。
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