研究課題/領域番号 |
26380481
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
首藤 惠 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (10206568)
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研究分担者 |
竹原 均 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70261782)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | CSP / CSR consciousness / CFP / non-financial disclosure / ownership structure / stakeholder relationship / foreign investor |
研究実績の概要 |
ESG情報は長期投資決定に不可欠であるが、アンケート調査結果やCSR報告などや企業の自主的開示にまかされているためにサンプルバイアスを伴う。本年度は、まず日本企業のCSRへの取り組みの全体像を検出するために、アンケート回答企業の社会的パフォーマンス(CSP)の決定要因を分析し、一定の仮定のもとに非回答企業の利用可能なデータ(金融パフォーマンス、企業特性、所有構造)を用いて非回答企業のCSPを推計するモデルを開発し、日本企業のCSR活動の全体像をとらえることを試みた(Estimating Hidden Corporate Social Performance of Japanese Firms)。 同論文は、2015年2月16-17日SIBR 2015 Kuala Lumpur Conferenceで、Best Paper Awardを授与された。 次に、昨年の研究成果に対するコメントを参考に、CSPに対する海外投資家行動の影響に関するタイムラグを配慮して観察期間を4つの連続小期間に分けた分析を行い、日本企業のCSRと所有構造の関係に関する研究を発展させ、working paperとしてまとめた(Corporate Social Performance and Foreign Ownership: Evidence from Japanese Firms)。 また、CSPとCFPとの関連に関して昨年度の研究について多くの示唆やコメントを勘案して整理検討してまとめ直して投稿中である(The Link Between Corporate Social Performance and Financial Performance: Empirical Evidence from Japanese Firm)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、企業のCSR活動が持続性, 成長性を含めた企業経営の実体に及ぼす長期的影響についてであり、資本コスト, 財務リスク, 財務制約といった企業特性に与える影響を実証的に分析することである。 本年度では、財務リスクを含む金融パフォーマンス,および 財務制約を含む企業特性を考慮したCSPの決定要因の分析とそれを前提とするHidden CSPを検出し、CSR活動と企業特性および所有構造(ガバナンス特性)に関する分析を一応完了した. 研究の目的の達成度は、ほぼ40%である。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は、CSRに関する信用市場の評価の側面に焦点を当てて、企業の長期戦略におけるCSR取り組みの有効性を検出するために、債務不履行確率とCSPの分析を行う。銀行ベース型金融システムにおける銀行と企業との固定的関係が日本企業のCSR活動にどのような影響を与えているのか、激変する金融環境の中で日本企業の負債行動がどのように変わっているのか、日本企業の持続的成長戦略と金融市場の評価との関連について分析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
東洋経済CSRアンケート調査2012年度分の購入を予定していたが、単年度で購入する場合は70万円必要だが、2年度分を合わせて購入すると割安になるため。研究推進上も、2年度まとめて観察期間を拡充した方が、2008年グローバル金融危機後を観察期間としすることができるので有効である。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度未使用分は、東洋経済CSRアンケート調査2012-2013年分を合わせて購入(100万円を予定)。
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備考 |
Corporate Social Performance and Foreign Ownership: Evidence from Japanese Firms, WIF-14-003
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