本研究では熟練を要する専門的人材育成を組織横断的に行うことができるのか,できるのであればどのようにアプローチすべきか,という視点でグローバル時代のものづくり技能人材育成における「ゆるやかな標準化」を模索した.専門性の高い現場では企業同士の壁が高く,標準化には大変な困難がある一方で,例えばドイツのIndustry4.0は国をあげての世界標準化への取り組みという点で対照的である.ここで人材育成分野でのゆるやかな標準化を模索することは,わが国の独自性を発揮できる分野となる.そこでわが国固有の「生産文化」を意識した人材育成のモデルを国際比較分析することで,競争優位性の構築を理論的に支援した.
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