本研究は職業集団のプロフェッショナル化が企業の評価に与える影響に関する研究であり、本助成にまつわる事前の研究も含め、5年間にわたって研究している。特にこの主題を扱う対象として製薬業界を取り上げている。これまで大手から中堅製薬各社へのインタビューなどを中心に、企業評価という客観的な情報とインタビューから得られた質的な情報を組み合わせながら研究を行ってきた。その成果は一部、論文という形で国内国外の学会誌などに成果を報告している。 本研究の最終年度である今年度は、これまでの研究成果を、国内の研究者だけでなく、国外の研究者にも広く周知するように、国際学会での報告を行い、海外ジャーナルの論文の執筆を行ってきた。研究成果を報告する中で、これまでの他の国際的な研究との接合を目指しており、この点に関して一定のめどを付けることができたことが最終年度の成果ということができる。特に成果の一部は製品カテゴリー研究と批評家研究に位置づけることが出来、この研究のベースになっている制度化理論研究および社会経済研究など、今回の研究成果との整合性をつけつつ、これら既存研究の中で一定の成果をあげることができた。 本研究の具体的な成果は医薬品におけるジェネリックというカテゴリーの実証研究の中で、ある製品カテゴリーから排他された企業が、別なカテゴリーで他の企業を排他するプロセスを見出したことにある。この結論は製品カテゴリーをめぐる研究に一定の成果をもたらしたということができる。
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