研究課題/領域番号 |
26380486
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
川端 勇樹 中京大学, 経営学部, 准教授 (00614702)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 組織間連携の成立プロセスの促進 / 事前の要因 / 場 / 介入 / 相互作用のプロセスと共通理解 / 中小企業 / 医療機器 |
研究実績の概要 |
1.先行研究と分析フレームワークの完成 本研究の理論的枠組について、事業化に向けた組織間連携をいかに促進させるかという観点から「事前の要因」、「場」、「介入」、「相互作用のプロセスと共通理解の形成」に着眼し統合的な理論的枠組みの構築を目指して先行研究のレビューを行った。現時点では、組織間連携の成立プロセスとその促進に関するレビュー論文を作成し、本研究を進めるための概念モデルを提示するに至った。 2.事例研究 本研究では組織間連携の成立と発展のプロセスについて「どのように」「なぜ」促進することができたかについて質的な分析をするためのケーススタディを進めてている。平成26年度は、ケーススタディの対象としている「神戸市」「浜松市」「福島県」における医療機器の事業化に向けた組織間連携の促進の取組について、2次資料によるデータの収集に加え、それぞれの地域の促進主体(経済団体や県庁)を中心にインタビューを実施した。また、促進主体が開催しているセミナー等に参加し、インタビューの補強およびその後の動向についてトレースしている。現在は、3地域の調査結果を踏まえて必要な追加インタビューの実施のための準備に取り掛かっており、組織間連携をいかに促進したかについて比較分析を実施するためのデータを抜け漏れなく揃える予定である。 ケーススタディの結果については、神戸市に続いて浜松市の事例についても、中京大学ビジネスイノベーション研究科の紀要に論文として投稿し、掲載されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度では予先行研究のレビューと医療機器の事業化に向けた組織間連携の促進に関する事例について、予定をしていた神戸市の事例の調査加え、浜松市および福島県の取組についても2次資料の収集およびインタビューを実施した。また、浜松市の事例については単独事例の研究成果として、中京大学の紀要にも投稿・掲載された。 したがって、ケーススタディの対象地域については当初の予定以上に進めることができている。しかしながら、本研究では先行研究にもとづいた概念モデルにもとづいて上述3地域を比較分析することを予定しており、そのために必要なデータに抜け漏れがないかを検討し、必要な追加インタビューを実施することが必要である。さらに、これまでは組織間連携の成立プロセスの促進主体を中心にインタビューを実施してきたが、今後は同促進策のもとで組織間連携に参画してきた中小企業をはじめとする主体に対してもインタビューを実施する必要がある。 以上をふまえると、3地域のケーススタディは当初の予定通り平成27年度も継続して実施する必要があり、進捗についてはおおむね順調に進展しているという判断とした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、医療機器の事業化に向けた組織間連携の成立プロセスをいかに促進したかについて「神戸市」「浜松市」「福島県」における取組みを対象にケーススタディを実施している。 現在までの達成度でも述べたように、本研究では上述3地域の事例を比較分析することを予定しており、これまでは促進主体を中心にインタビューを実施した。今後は、比較分析を実施するにあたり必要な追加インタビューを以下のように進めていく。 まず現状で収集したデータを検討して、促進主体対して必要な追加インタビューを今年度前半に実施する。次に、促進主体が実施した施策のもとで組織間連携に参画した企業をはじめとする主体に対して、組織間連携の成立プロセスにおいて促進策がどのように貢献したかについて詳細な調査を今年度の後半で実施する。 以上の調査結果をもとに、まずは組織間連携の成立プロセスをいかに促進したかについて、次に促進のマネジメントが成立プロセスの促進にいかに寄与したかについて、順次学会発表や論文の投稿に取り組んでいく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究における先行研究のレビューや2次資料の収集の比重が大きく、費用が大きな旅費やインタビューの加工などの比重が予測よりも少なめとなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
調査や学会発表のための旅費やインタビューの加工(業者等の外部委託を使用)の頻度が増加する見込みであることから、予定通りの予算の使用となる予定。
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備考 |
掲載されたVol11については近日更新される予定。
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