平成28年度は、交付申請書の研究実施計画の通り、「有効性と効率性のパフォーマンスを高めるためのマネジメント上の工夫についての事例研究」を行った。具体的には、需給調整(S&OPを含む)、在庫パフォーマンス管理(パフォーマンス管理システムを含む)、SCM改革について、対象企業がどのような活動を行っているのかについて、8社(22回)を訪問し、インタビュー調査を実施した。また、調査結果をもとに、個々の事例および事例間の分析を行い、SCM部門の役割について考察した。具体的には、企業経営のグローバル化を踏まえて、製造業におけるSCM部門の役割を説明するための枠組みを提示することができた。分析・考察の過程で、研究成果を補強するための文献調査を行った。最終的に、3年間の研究成果をまとめた報告書を作成し、アンケートおよび事例研究に協力いただいた企業やSCMの研究者に配布した。 研究成果の報告については、交付申請書の記載通り、国際学会(EurOMA2016、ノルウェー科学技術大学、2016/6)で発表した。また、国内の研究者と実務家向けに、日本物流学会および海運経済学会関西部会の例会(大阪産業大学、2017/1)で発表した。加えて、平成27年度と同様、研究成果について、韓国・慶熙大学の研究者との意見交換(2017/3)を行った。 事例研究の協力依頼および実査(一部は研究分担者も実施)、研究成果のとりまとめ、発表、意見交換、各種調整は主に研究代表者が行い、文献調査と議論を研究代表者と研究分担者が共同で実施した。研究代表者と研究分担者の打ち合わせは3回実施した。
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