本研究の目的は,NPO支援制度を事例として,公共政策過程における制度的企業家によるフレーミングを通じた公設民営型・市民活動支援施設の制度化過程を明らかにすることにある。具体的には過去三年間の調査で得たインタビューデータと公式資料をもとにして施設設置に向けた過程を分析した。第一に,主要アクターである制度的企業家の実践を分析する制度化モデルを提示した。第二に,このモデルを分析枠組として使用し,各段階において異なる主要アクター(制度的企業家)がそれぞれの文脈で「市民参加」を意味付けて行為を組織化する,つまり,フレーミングを逐次的に行うことによって,最終的に支援施設が制度化された点を明らかにした。
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