情報通信技術(IT)を利用することで、企業は製品サービスをユーザに提供する前と後の活動を統合し、全体としてユーザの満足を実現することができる。本研究は、ITを積極的に活用するイノベーション(ITベース・イノベーション)が、どのような企業行動と関わり、いかなる現象をもたらすのかを明らかにしようとした。実証研究の結果、適度な差別化を志向する企業行動、変更可能性を有する柔軟なビジネスモデル、プラットフォームの需要創造メカニズムといった事柄について仮説を得ることができた。これらの仮説をさらなる実証研究で確かめて、企業のIT利用がイノベーションや経済社会に及ぼす影響を検討することが今後の課題である。
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