研究課題
本研究が対象としているのは、知財を活用する際の領域を、地域的な分類(ヨコ軸、すなわち「特定国」か「国際的」か)と事業内容上の分類(タテ軸、すなわち「特定業界」か「業際的」かという視点)の2軸により整理したうち、国際的にも業際的にも活用する領域に設定している。すなわち、本研究の対象は、知財の「国際化」と「業際化」の双方が同時に志向される領域となり、これは既存の研究では手つかずになっている。その領域に設定した上で、以下の三点について本研究は進められてきた。①「知財の国際化」と「知財の業際化」という特徴を持った標準化プロセスが、「ユーザー主導」となり、そして「無償化」が進む一連の現象について、その動態的構造の解明、②「知財の無償化」という現象がライセンサに対してどのような意味をもたらすか、③「知財の無償化」の進行を踏まえた上でのライセンサの収益化までのプロセス、以上である。こうした問題意識を持ちながら進められた本研究からは、以下5点について一定以上の成果がみられた。①競争優位の源泉となる知財の意義の明確化、②「ライセンサ主導」と「ユーザー主導」の本質的な違い、③「知財の業際化」と「ユーザー企業の収益化」に関する課題、④「知財の無償化」と「ライセンサ企業の収益化」に関する課題、⑤「国際ビジネス」と「業際ビジネス」の同期化がもたらす真の意味、である。
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Japan MNE Insights, Japan Academy of Multinational Enterprises
巻: Vol.4 ページ: 1-8