研究課題/領域番号 |
26380510
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
朱 穎 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (50334610)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ダイナミック・ケイパビリティ / 認知的バイアス / 戦略的適応 |
研究実績の概要 |
初年度では、本研究に必要な分析枠組を構築するための文献研究を行った。特にダイナミック・ケイパビリティの形成に関する最近の研究に注目し、企業の認知モデルがケイパビリティの形成に与える影響を考える上で適用可能な分析枠組の抽出に焦点を当てた。欧米で行われた最近の研究では、認知論と戦略論の融合が図れており、特に企業の認知モデルが意思決定に与える影響について多くの研究蓄積がある。こうした最近の研究を丁寧にレビューし、分析枠組みの精緻化と実証研究の妥当性を図るための作業を行った。これらの文献レビューに加えて、ヒアリング調査いくつか行い、予備的分析を行った。また、二つの国際コンファレンスにおいて研究発表を行い、本研究に潜まれている論理的広がりについて海外の研究者と意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アメリカ経営学会のOMT部門に共著論文が採択され、研究報告を行った。また国際ジャーナルへの投稿作業もある程度進んでおり、R&R (Revision & Resubmission)の評価をもらっている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は資料収集とヒヤリング調査を行うと同時に、研究成果の海外発信を目標として掲げている。資料収集とヒヤリング調査はアメリカDuke大学の共同研究者の協力を得ており、IBMのトップマネジメントへのヒヤリング調査を予定している。また、研究成果の国際発信について、8月にカナダで開催されるアメリカ経営学会(Academy of Management)に本研究に関する論文が採択され研究報告を行う予定である。更に国際ジャーナルへの論文掲載に向けて時間を確保する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた共同研究の打ち合わせのためのアメリカ出張は、共同研究者が上海交通大学の招聘により上海に滞在していたため、打ち合わせのための出張費用は想定より安く収まることができたからである。
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次年度使用額の使用計画 |
二つの国際コンファレンスで学会発表のための交通費として計上している。
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