本研究の目的は近年欧米で進められている経営学、及び認知科学論のアプローチに基づき、「ダイナミック・ケイパビリティ」の形成プロセスを理論的実証的に検証するものである。これまでの既存研究の多くはいずれもダイナミック・ケイパビリティの重要性及び概念の精緻化を図る方向で展開されてきたため、実際にそれがどのように構築されているのか、というプロセスについての実証が不十分である。本研究は欧米の最新研究成果に基づき、特にダイナミック・ケイパビリティの構成概念の細分化を行い、その背景にある行動的認知的プロセスの解明を行った。
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