本研究の目的は、分散生産(フラグメンテーション)下にある、アジアにおいては日系複写機・プリンタ企業、欧州においては日系自動車企業を事例にして分散生産に移行した要因と国際経営管理の変化について検討することにある。 先行研究として分散生産の理論的な検討はこれまで国際経済学からの立場で主に行われて来たが、国際経営論の立場で検討した。その要因を要約すると、第一に市場における競合企業の脅威と戦略転換、第二に後発国である新生産国が誘因となる新たな制度の構築、第三に既生産国の経済発展に伴う産業政策の変更であり、これらの要因が同時期に行われることにあった。英国のEU離脱に伴う分散生産の課題についても検討した。
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