筆者は日韓のICT企業の研究開発戦略に注目し、Resource Based ViewとDynamic Capabilitiesの観点から比較検討して来た。例えば、日韓米のICT企業のスマートフォンに関連する研究開発戦略を特許データで比較検証すると、2007年にAppleのiPhone登場の前後から、各社の研究開発戦略に大きな違いがあり、それが経営成果に大きな影響を与えた可能性がある。すなわち、素早い追随者であった韓国のSamsungは新規のスマートフォン向けに素早く方向転換する研究開発戦略を選択したのに対して、パナソニックらは既存の研究内容や方向性を持続・改善する研究開発戦略を選択していた。
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