本研究の目的は、企業の人的資源管理(HRM)と業績の因果関係を実証的に検証することであった。HRMと業績に関する2000年(T1)の調査に回答した東北地方の企業において、2014-2015年(T2)に同様の内容の調査が実施され、50社から有効回答が得られた。このデータに基づいて交差遅れ分析を行った結果、一部の業績指標(T1)と「ハイ・インボルブメント」HRM施策(Lawler, 1986)の利用度(T2)に有意な相関が見られた。この結果から、長期的に見ると企業業績がHRM施策に影響する可能性があることが示唆された。
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