研究課題/領域番号 |
26380522
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
池田 武俊 千葉商科大学, サービス創造学部, 准教授 (40381438)
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研究分担者 |
石井 泰幸 千葉商科大学, サービス創造学部, 教授 (30279872) [辞退]
坂井 恵 千葉商科大学, サービス創造学部, 教授 (80548983)
鎌田 光宣 千葉商科大学, 人間社会学部, 准教授 (90383372)
今井 重男 千葉商科大学, サービス創造学部, 教授 (40596657)
清水 喜久 千葉商科大学, サービス創造学部, 准教授 (70761592)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サービス人材 / 高度専門職 / イノベーション / 能力開発 / 組織内教育 / 雇用関係 |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究は、過年度に引き続き、サービス業のサービスエンカウンターが組織内イノベーションに及ぼす影響、高度専門職人材が組織内イノベーションに及ぼす影響の2点を明らかにすることを実施することを目指して行われた。サービス業は多様な産業が含まれるために、本研究では、顧客とのやり取りの場としてのサービスエンカウンターがとりわけ重要な意味を持つ業種に焦点をあて、イノベーションと人材の関係、人材育成の課題等について踏み込んだヒアリング調査を実施することができた。これらの調査結果を継続的に実施しているイノベーション、人的資源等の経営学の先行研究サーベイより得られた知見のなかで分析することで、サービス業の組織内イノベーションを担う人材像について解明する手掛かりを得ることができた。また、平成28年度のヒアリング調査から、サービス業は近年、人材の不足感が深刻であることが改めて確認された。この傾向は、ここ数年の著しい変化であるといえる。この変化はサービス業の経営者、管理者、働き手の考え方に影響を与える問題である。例えば、サービスエンカウンターを担うために必要な熟達や優れたイノベーションにつながるような知識の獲得には、時間をかけた能力開発が求められる。しかし、人手不足の問題は組織における人材の能力開発の位置づけや実施方法に影響を与え、結果的に組織内イノベーションの姿も影響を与えるといえよう。これらの環境変化を念頭に置いた質問項目を組み込んだアンケート調査を実施することが平成29年度の目標である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
近年の急速な経済状況の変化に伴い、とりわけサービス業においては、本研究の計画立案時よりも人手不足の問題が深刻になっていることがヒアリング調査より確認されている。地域差、業種差もあるが多くのサービス業において人手不足が事業活動上で大きな問題としてクローズアップされている。また、この問題は短期的な問題ではなくある程度長期的な時間の中で続いていく問題であり、長期的な企業戦略との関わりで把握していく必要がある。この点について、平成28年度中に実施を予定していたアンケート質問票の内容ではでは、現実の状況と十分に適合しないと判断するに至った。そのため、質問票の再構成の検討に時間を要することとなった。こうした現実の変化が長期的な時間で捉えるのであれば、サービス業の経営者、管理職、働き手という組織内イノベーションの担い手の各層の考え方や行動に与える影響という視点も必要になる。そのため、この状況の変化をきちんと反映したアンケート調査を実施したいと思い、研究計画を1年延長する申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
過年度までの研究成果を踏まえ、作成したアンケート調査を平成29年度中に実施する。また、合わせてヒアリング調査も実施し、それらを総合して本研究の成果としてまとめていくことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費残額は、アンケート調査費の未使用により生じた金額である。本研究で当初目論んでいたアンケート調査について、質問事項の加筆修正を行ったため平成28年度中の実施が難しくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度中に改めてアンケート調査および付随するヒアリング調査を実施することで、研究費の執行は可能であると考えている。
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