研究課題/領域番号 |
26380541
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
安達 明久 常葉大学, 経営学部, 教授 (10552474)
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研究分担者 |
小林 秀之 一橋大学, その他の研究科, 教授 (30107495)
比護 正史 白鴎大学, 法務研究科, 教授 (30726659)
斎藤 輝夫 明治大学, 法務研究科, 教授 (60726256)
山本 隆三 常葉大学, 経営学部, 教授 (10513731)
丹羽 由一 静岡産業大学, 経営学部, 教授 (60525450)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 中小企業の海外進出 / ビジネストラブル事例 / 交渉学による簡易仮設実験 / 富士商工会議所 / 中国温州医科大学 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究初年度に当るが、下記①に記載した商工会議所等からの指摘も踏まえ、当初計画を一部変更し、次の2点について重点的な取組を行った。 ①各種文献を中心とする中小企業の海外活動に伴うビジネストラブルに関連する「事例の収集」 ②富士商工会議所会員、中国温州医学院経営管理学部卒業生に対する簡易実証実験の試験的実施による「分析フレーム」の検討。 ①のトラブル事例収集については、当初アンケート調査を予定していた事項であるが、アンケート項目の精査の必要性を富士商工会議所等との事前調整において指摘されたことなどを踏まえ、準備作業としてJETROの既存調査資料等における事例収集、類型分け等の取組を行った。その結果、相当程度の国別事例が収集できたこと、および研究予算の効率的執行の観点から、アンケート調査についてはその対象・内容を縮小し、平成27年度に実施する各国ビジネス文化に関する「簡易な仮設実験」調査と並行して補完・検証的な形で実施することとした。 ②の分析フレームの設定については、我々が実施してきた事前研究の蓄積、およびE.T.ホール、G.ホッフステッド等の先行研究の成果を統合し、「簡易な仮設実験」の具体的内容(質問事項7項目)を設定し、その有効性を確認するための常葉大学の学生253名(うち日本人学生222名、中国留学生31名)、富士商工会議所会員21名、中国温州医学院卒業生50名を対象とする試験的質問調査を実施した。その結果、「集団帰属」「公私区分」等の7項目ともに日本と中国で有意な差異が存在することが実証され、ビジネス文化差異の分析における本フレームワークの有効性について一定の確認を行うことができた。また、富士商工会議所会員21名における簡易実験においては、上記7項目に加えて「協調指向」「契約と信頼」など7項目を追加して仮設実験を実施し日本人における基礎データを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画においては、初年度の取組として次の2点を想定した。①静岡県内の中小企業等へのアンケート方式を基にした「中小企業の海外活動に伴うビジネストラブルに関連する事例の収集」、②既存文献の調査を基にした「ビジネス文化に関する既存研究の成果の交渉学的視点から再整理した分析フレームの設定」。 このうち、①については、前記「概要」において記した様に、アンケート調査に替えて実施したJETRO等の既存調査報告書等において当初想定していたトラブル事例を相当程度収集することができたことなどから、所期の目的はほぼ達成できたものと考える。 ②についても、簡易な仮設実験の試験的実施を併用しつつ、E.T.ホール、G.ホッフステッド等の先行研究の成果を利用することによる、「集団帰属」「公私区分」など7項目の基準を設定しその有効性を確認、また、「協調指向」「契約と信頼」など新たな項目に関し一定の知見を得ることが出来たことから、所期の目的はほぼ達成できているものと考えられる。
以上、①②を総合し、本研究の初年度における計画は、概ね所期の計画内容を達成し順調に進んでいると判断できると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は本研究の2年目に当り、当初計画に従い次の2点に重点を置いた取組を行う計画である。 ①各国ビジネス文化の「特徴」と「社会的要因」の抽出。 ②交渉学の観点から設定した「簡易な仮設実験」によるビジネス文化の特徴と社会的要因の関連性の検証。 ①②の比較対象国としては、日本、中国のほか、タイ、ベトナムを想定している。その具体的な作業にあたっては、JETRO等の既存調査文献のほか、実際に当該国に生産拠点を設けている富士地区の主要企業2~3社(例 自動車基幹部品大手、紙タオル等製造中堅企業)に協力を仰ぎ、日本側および進出国側双方の従業員および経営幹部を対象として、簡易な仮設実験および各種トラブル事例ヒアリング等を実施することを想定している。現地訪問時期としては、本年8~9月、および平成28年2~3月を予定。 また、日本側の社会人を対象とする仮設実験、およびビジネストラブル事例の収集拡充については、引続き富士商工会議所、富士宮商工会議所等の協力を得てサンプル数の蓄積を図る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初初年度(平成26年度)に予定していたアンケート調査について、先述の通りその規模を縮小し、次年度(平成27年度)以降の仮設実証実験と並行して行うよう、研究計画・スケジュールを一部見直した。そのため、当初予定していたアンケート調査実施のための関係企業等への訪問調査旅費、謝金が予定額を下回った。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度(平成27年度)においては、当初予定の仮設実証実験を中国において実施する予定であるが、そのサンプル蓄積の充実のため中国内での訪問先を拡充することを検討中である。また、調査対象国を東南アジア(タイ、ベトナム)等へ拡大し実施することを検討している。次年度使用額は、これら仮設実証実験の拡大充実のため必要となる旅費、および謝金として使用する計画である。
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