本研究の目的は、科学技術人材の能力限界を解消し成長を促すマネジメントのあり方を検討することであった。研究成果は次の3点である。1)アンケートデータにもとづき、技術者の能力限界感の実状を示した。年齢階級、性別および職種毎の比較を通じて、技術者の能力限界感の特徴を明らかにした。2)インタビュー調査で得られた質的データの分析を通じ、技術者の能力限界感の形成メカニズムを検討した。特に、IT技術者の能力限界感の形成モデルを示した。3)個人・職場環境・産業構造要因と、IT技術者の能力限界感との関係を明らかにした。個人要因だけでなく、職場環境および産業構造が、技術者の能力限界感に影響を及ぼすことを確認した。
|