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2016 年度 実施状況報告書

選択時点での消費者の購買意思決定のダイナミクスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26380569
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

里村 卓也  慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (40324743)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード購買意思決定 / 消費者選択モデル / 消費者情報処理 / 眼球運動
研究実績の概要

本研究は消費者の選択時点での購買意思決定のダイナミクスを解明しようというものである。そのために本研究では、まず消費者の選択時の情報収集過程と代替案評価という選択に至るまでの心的プロセスのダイナミクスを考慮したモデルの構築を行う。この際、意思決定プロセス中の情報として消費者が選択中に注視した商品属性を考慮し、さらに、実際の商品購買を考慮して単数の商品選択だけでなく、複数の商品選択も考慮した選択モデルを構築する。実験により選択行動と眼球運動のデータを収集し、このデータから統計モデルの推定を行う。この結果を利用することで情報収集過程と代替案評価という購買意思決定のダイナミクスを解明することを試みる。
平成28年度は、引き続き意思決定過程のモデル化について取り組んだ。意思決定過程のモデル化において、眼球運動と意思決定過程を結びつけるためのモデルについてさらに検討を重ねた。その際、眼球運動と意思決定過程という異なるタイプのデータを融合して分析するために、機械学習の手法であるトピックモデルを適用することについての検討を行った。またこの手法についての統計的推定方法についての検討を行った。また、感覚知覚心理学での研究をもとにした眼球運動と意思決定過程のモデリングについて追加で検討を行った。さらにワークステーション上での実験環境の整備を行った。実験のための環境条件についての検証を行った。眼球運動の取得では実験中にデータ欠損が生じる可能性があるために、データ欠損の低減方法にいての検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平成28年度では基礎的なモデルを構築し、実証分析のために眼球運動データを取得して分析を行う予定であった。しかし、データ分析の手法について、眼球運動データと意思決定過程を融合させる機械学習の手法について新しくアイデアを得たため、モデルの構築について優先度を高めた。また、モバイルワークステーションを利用したモバイル環境での実験環境では実験環境によりデータ欠損が生じることが判明したために、実験条件等の検証に必要な環境整備に時間が必要となり、データ収集のための実験を行うことができなかった。以上が研究の達成状況で「遅れている」とした理由である。

今後の研究の推進方策

平成29年度は実証分析のための実験と分析を行う。実験ではアイカメラを用いた実験環境を用いる。
まず、眼球運動と意思決定過程を統合して分析するための統計モデルの開発を行う。このモデルに適用するデータを収集するために、コンジョイント分析の方法を利用して、複数の代替案からアイテムを1つ選択してもらい、その間の眼球運動と反応時間、選択対象を記録する。得られたデータからモデルのパラメータを推定し、推定結果から消費者の意思決定のダイナミクスの説明を行う。続いて複数の選択肢の選択順序を考慮した購買意思決定モデルを構築し、複数選択が可能な状況での実験を行い、眼球運動と選択対象のデータを収集し、モデルの推定と検証を行う。
さらに、意思決定のダイナミクスに影響を与える事前知識や画像情報の効果を組み込んだ購買意思決定モデルを構築し、実証分析を行ってモデルの推定と検証を行う。実験では被験者に商品についての知識や関与を事前に質問した後に、複数の商品を提示して、欲しいと考える商品を選択してもらい、その間の眼球運動と反応時間、選択対象を記録する。データからモデルのパラメータを推定し、モデルの検証を行う。
これらの研究について論文の作成と投稿を行い、研究成果の報告を国際・国内の学会や研究会で行う。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度は実験のための環境条件についての検証に時間がかかり実証実験のためのデータ収集を行うことができず、このための人件費・謝金が発生しなかった。眼球運動の取得では実験準備中にデータ欠損が生じたため、データ欠損の低減方法についての検討に時間が必要となった。これと併せて、眼球運動と意思決定過程という異なるタイプのデータを融合して分析するために、機械学習の手法であるトピックモデルを適用することについての検討を行い、そのための統計的推定方法についても検討を行うことが必要となったために、このモデルの開発を優先させた。以上の理由により次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

平成28年度に実施予定であったデータ収集のための実験を平成29年度に行う。このための人件費・謝金を研究費として使用する。また、学会発表と情報交換、共同研究者との打ち合わせのための旅費を研究費として使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 行動・心理データの融合による顧客行動分析2017

    • 著者名/発表者名
      里村卓也
    • 学会等名
      日本商業学会関東部会
    • 発表場所
      専修大学(東京都千代田区)
    • 年月日
      2017-03-18
  • [学会発表] 行動・心理データの融合による顧客行動分析2017

    • 著者名/発表者名
      里村卓也
    • 学会等名
      南山大学経営研究センターワークショップ「消費者行動」
    • 発表場所
      南山大学(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2017-03-05 – 2017-03-06
  • [学会発表] 消費者選択行動モデルを利用した購買トピックの分析2016

    • 著者名/発表者名
      里村 卓也、野際大介、佐藤栄作、中村博、守口剛
    • 学会等名
      2016年度 統計関連学会連合大会
    • 発表場所
      金沢大学(石川県金沢市)
    • 年月日
      2016-09-06

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公開日: 2018-01-16  

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