本研究は、日本におけるOTC(一般)医薬品の広告キャンペーンでの著名人起用の現状とその効果を、信用性理論からのアプローチを用いて調査・分析を行った。平成26、27年度に行ったTV広告と該当製薬会社の商品ウェブページの定量性内容分析の結果に基づいた研究ををAssociation for Education in Mass Communication and Journalismの学会で発表。関連論文がJournal of Promotion Management(査読付き)、及びInternational Journal of Communication and Health (査読付き)に受理。
内容分析の結果に基づき、OTC医薬品広告刺激を8種作成(著名人の種類、性別を操作)し、オンライン上で約650名の一般消費者からデータ収集を実行。データ分析の結果、OTC医薬品広告の好感度はスポーツ選手やタレント等よりも俳優・女優が起用されている場合が最も高く、著名人の信頼性の3要素(信頼、魅力度、専門性)の中でも魅力度と信頼度が広告・ブランド態度に影響を与えるという事が判明した。同時に、被験者にとっては俳優・女優は他の著名人の種類と比較して、最も自分よりかけ離れている存在として認識されているが、同時に最も共感できる著名人の種類と考えれられている。著名人のOTC医薬品広告における本人に対する好感度は異なる著名人の種類において有意差は見られなかった。
これらの実験操作の結果に基づき、論文執筆及び詳細なデータ分析を実施中である。今年度前半にInternational Journal of Advertising(査読あり)及びHealth Communication(査読あり)のジャーナルに投稿予定である。
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