研究課題/領域番号 |
26380573
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
三浦 俊彦 中央大学, 商学部, 教授 (60190592)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | グローバル・ブランド / コンテクスト |
研究実績の概要 |
研究課題(グローバル化におけるコンテクスト・ブランディングの概念整理と方法論の基礎研究)を解明するために、2年目(2015年度)は、理論研究(文献研究)と実証研究(企業実態調査)を進めた。 理論研究については、昨年3月に出した論文(三浦俊彦著、「コンテクスト・ブランディングのグローバル展開 -国を越えてのライフスタイルと世界観の提示-」『商学論纂』、第56巻、第5・6号、中央大学商学研究会、pp.115-158、2015年3月)の枠組みの下に、いくつかの調査事例について、その理論的価値を文章にまとめた(「知識経営:シンガポールの底力」(日経産業新聞2015.5.21)、「菓子の世界ブランド:日本の水準高い」(日経産業新聞2015.7.2)、「グローバルな視点:英語習得より常に思考」(日経産業新聞2015.10.1))。 実証研究については、消費者(学生)質問票調査として、4月に南洋理工大(シンガポール)、ジャカルタ大学(インドネシア)、9月にチュラロンコン大学(タイ)などを訪れ、当地の研究者と共に実施、もしくは代行実施をしてもらった。また、インタビュー調査(日本企業のアジア地域現地法人調査)に関しては、9月にパナソニック(マレーシア)とグリコ(タイ)、16年3月に、サッポロビールと貝印(共にベトナム)を行った。これら質問票調査の統計分析と、インタビュー調査の内容分析により、アジア地域における日本ブランドを含めたグローバル戦略の状況を把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究レビューを含めた理論的研究は、初年度以来、ある程度できてきた。 実証研究は、a.企業(日本企業アジア現地法人)インタビュー調査と、b.消費者(学生)質問票調査からなるが、a.については初年度のジャカルタでの7社に加え、2年目には、クアラルンプール、バンコク、ホーチミンシティ、ハノイの4社を行い、地域的・業種的広がりもあり、かなり成果が蓄積されてきた。また、b.については、南洋理工大(シンガポール)をはじめとするアジア地区3大学のデータが集まり、日本の中央大学で収集したデータとの比較分析を始めている。 以上から、2年目の達成度としては、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は上記「現在までの達成度」にも記したように、アジア地区3大学および中央大学のデータ(あと1、2地域の大学での調査も検討中)の分析に、アジア地区日本法人インタビュー調査(こちらも、あと1、2地域の企業の調査も検討中)の成果も組み込みながら、3年目の最終年度には、一つの成果としてまとめたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2年目は、インタビュー調査・質問票調査とも少しづつ実施できたが、当初計画に比べると、すべては実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度(2016年度)については、繰り越された予算額も適切に使用して、企業インタビュー調査および消費者質問票調査の実施・分析を行う。
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