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2014 年度 実施状況報告書

流通チャネルにおける垂直的関係とフレーミングに関する実験研究

研究課題

研究課題/領域番号 26380574
研究機関中央大学

研究代表者

久保 知一  中央大学, 商学部, 准教授 (40376843)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード流通チャネル / 実験アプローチ / 垂直的取引関係
研究実績の概要

本研究課題は、流通チャネルにおける売り手と買い手の垂直的関係において、プレイヤーが取引関係をどのようにフレーミングするかによって取引の成果が異なるのではないかという問題意識と、わが国ではほとんど行われていない企業間関係研究における実験アプローチの導入を2つの柱として着想されたものである。まず、文献レビューによって、流通チャネル研究における実験アプローチの進展を確認した。意外なことに、実験アプローチは流通チャネル研究に実証研究が導入された頃から行われていた(例えば、Walker, 1972; Stern, Sternthal, and Craig, 1973; Dwyer, 1980; Dwyer and Walker, 1981)。それに対してわが国で実験アプローチの進展が遅れていたのは、実験アプローチが現場の実務家を対象とするのではなく、実験室に集められた学生被験者に売り手もしくは買い手の役割を演じさせることから、外的妥当性の懸念があったものと考えられる。したがって、より現実感のあるマニピュレーションやシナリオの策定や、サーベイデータとの併用などによって研究を進める必要があることが確認された。次に、実験研究のための仮説の策定も進められた。交渉において優位なプレイヤーが取引相手に多額の関係特定的投資を求める場合、それを成長機会とみなすか、あるいは搾取とみなすかによって、交渉を受ける企業の反応は変わってくるものと考えられる。こうした交渉の見せ方をフレーミングとしてマニピュレートした実験の検討を進めた。さらに、シナリオ実験として、宿泊施設と宿泊予約サイトの関係を売り手と買い手の取引関係として、交渉の成果が、機会主義のタイプと情報開示の手段によって変動するという仮説をたてて、シナリオ法による調査を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定では初年度から実験を行う予定であったが、米国での在外研究の期間延長が認められ、日本帰国が翌年度になったことで、シナリオ法によるサーベイ調査に切り替えた。とはいえ、代替的手段をとったことで研究そのものは進展していることから、おおむね順調に進展しているものと判断した。

今後の研究の推進方策

2年目となる2015年度は、前半と後半に分けて研究を行う。8月末まではコロンビア・ビジネス・スクールで在外研究を続けるため、現地にて実験計画の策定を行う。この段階で、最低1回はウェブによるプレ実験を行う予定である。9月以降は日本に帰国して、被験者を実験室に集めた形での実験と、ウェブ実験の双方を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた最大の理由は、当初は2014年8月までを予定していた米国での在外研究が1年延長されたことにより、初年度に日本で行うはずであった実験を2年目に延期したことである。

次年度使用額の使用計画

2015年度は初年度に延期された実験を集中的に行う予定である。実験室に被験者を集めて実験を行う前に、プリ実験としてウェブ実験を行うことから、被験者への謝礼以外に、ウェブ調査会社に業務委託することで予算を執行する予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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