本研究の研究目的は、アメリカ・韓国・台湾・中国・日本の消費者における「消費者エスノセントリズム」は、各国の消費者にいかなる影響を与えるものかを検証することである。平成28年度の研究実績は、前年度までの予備調査に基づいた仮説モデルを検証するために、アメリカ・韓国・台湾・中国・日本の消費者を対象に本調査を実施した。本調査は、各国の消費者を対象にインターネット調査を行った。 平成28年度の研究期間中には、「消費者エスノセントリズム」と各国の経済格差や政治的要因も考察する必要性が浮上した。各国の経済格差と消費者エスノセントリズムの関係性を検証するための質問項目を追加した。さらに、アメリカ市場の重要性からアメリカの政治的要因(トランプ大統領の「アメリカンファースト」政策)の影響を確認した。そのため、アメリカの被験者には政治的要因を検証するための新たな調査項目を設けた。上記のように、これまでの消費者エスノセントリズムの研究では、考察できなかった新たな課題についても検証することを試みた。先行研究と平成28年度までの調査データなどから、各国消費者(アメリカ・韓国・台湾・中国・日本)間の消費者エスノセントリズムの実態を比較分析することによって、マーケティング研究における消費者エスノセントリズムのメカニズムの一般化を試みている。さらに、これまでの分析結果を様々な側面から統計的に厳密に分析するなど、引き続き分析を続ける予定である。
|