研究実績の概要 |
本年度は、マスメディア媒体とインターネット媒体の情報接触とオンラインとオフライン購買のモデルを再検討した。同時に、今までの発見物を基に論文を作成し、国際学会(16thInternational Conference on Research in Advertising, American Marketing Association、American Academy of Advertising Annual Conference)で学会報告を行った。また、追加調査として質問紙調査の欠点を補うべく、消費者実験を行った。研究開始時期では想定していなかった新たなSNSインスタグラムが成長し、他のSNSに比べて消費行動の影響がより大きいと想定されるため、インスタグラムを想定した実験刺激物を作成し、少数のサンプルでその傾向を確認した。 研究期間全体としては、第一に、マスメディアとインターネット、店頭の情報接触と、オンラインとオフライン購買がどのような関係があるのか、第二に、ソーシャルメディアのプラットフォーム(Facebook, Twitter, Line)における情報と娯楽の知覚が店頭購買にどのような関係があるのか、最後に広告ではなく、コンテンツに登場する製品情報(プロダクトプレイスメント)は、テレビとインターネットで、購買に関連する行動にどのような影響があるかを明らかにした。一点目は,マスメディアの情報接触は、インターネットと店頭の情報接触に影響を与えるが、購買には、オンラインに影響を与えることが分かった。二点目は、3つのプラットフォームすべてで情報価値を見出した人は、店頭で購買する可能性が高く、娯楽の価値を見出した人は、店頭で購買することと直接には関係しないが、他の関連するサイトを閲覧することで店頭で購買する可能性が高まることがわかった。三つ目は、テレビ、インターネット媒体ともに社会的交流動機のある人は、その製品情報に対する好意度を高めるだけでなく、購買に関連する行動も高めることがわかった。
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