研究課題/領域番号 |
26380584
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研究機関 | 岡山商科大学 |
研究代表者 |
田村 直樹 岡山商科大学, 経営学部, 准教授 (90451377)
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研究分担者 |
大谷 泰斗 関西外国語大学, 英語国際学部, 講師 (50612925)
横山 斉理 法政大学, 経営学部, 教授 (70461126)
曽根 秀一 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (70634575)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 老舗 / 商業 / 京都 / 事業継承 |
研究実績の概要 |
研究の成果として、老舗の再定義が必要であることが明らかになった。一般的に、100年企業や3代継承された事業体は老舗の扱いをうけている。しかし、わが国の老舗の意味は、その事業体の地域との関連を含めないと歴史的にも無意味な定義になってしまう。たとえるならば、全国にフランチャイズ展開しているコンビニエンスストアが100年建っても老舗の概念にはふさわしくないということである。 老舗とは、その地域の人々に支えられてはじめて存続しうるものだという点を見逃してはならない。店主はひとりの地域住民として、近隣の人々と生活空間を共有し、地元の行事にも参加し、顔の見える距離で商売をしていることが重要だ。 したがって、観光客相手だけで成立している商売も老舗の意味にはしっくりこない。おとくいさまというのは、地域の顧客である。地域に愛されてこその老舗なのである。 したがって、全国的に広告宣伝をして地域以外の顧客開拓も重要であるが、口コミレベルの地元での評判がもっとも重要だと考えられる。つまり、おとくいさまをなおがしろにしてしまうと、評判が下がり、結局地域外の顧客を失うことにつながりかねない。 老舗はその土地を密接な関係があることが理解できる。その地域の顔でもある。ご当地という言葉があるように、その地域を代表する存在が老舗を名乗るために必要な条件だと思われる。 今後の研究課題として、老舗の条件を質的リサーチで明らかにしていきたいと思う。
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