日本の製造小売業者は、食料品業を主にして、小規模で、製品属性上消費地近隣への立地を行ってきた。小売業者もまた消費地近辺に立地するが、大手小売業者のような全国市場展開もみられる。そして、製造業者は必ずしも消費地近接にこだわらず、生産機能上優位性がある地域に立地する。 本研究では、我が国においてこの小商圏に対して流通機能を遂行することにその存在意義を有してきた製造小売業者の成長戦略に着目し、地域市場と全国市場で戦略展開の方向性が異なることを明らかにした。規模の経済を求めて拡大成長する大手製造小売業者と、小商圏にこだわり地域市場に展開する持続可能性を求める中小規模製造小売業者の存在を明らかにした。
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