研究課題/領域番号 |
26380588
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
王 怡人 流通科学大学, 商学部, 教授 (20290538)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 中小企業 / マーケティング活動 / 国際調査 / 台湾 / 質 |
研究実績の概要 |
26年度の実施内容は、中小企業のマーケティング活動に関連する文献のレビューであった。 この整理作業を通じて、分かったことは次の通りである。すなわち、中小企業は、対外的には、製品や技術の開発あるいは有力なビジネスパートナーの獲得を通じて、自分にとって有利なバリューチェーンにシフトしていったり、そして対内的には、経営の効率化を通じて、コストダウンを図ったりすることのほかに、これらの活動内容の「質」にたいする視点が欠けていることである。より具体的に言えば、製品・技術・パートナーシップにしても、経営活動の効率化にしても、行う内容によって、成果に対するインパクトが異なる。これは中小企業のマーケティング活動の質による影響だと考えられる。従って、今後の展開は、既存研究の発見物をふまえながら、中小企業のマーケティング活動の内容(質)分類とパフォーマンスに対する影響を日・台で比較調査を行う予定である。
この作業を行う意義は次の2つである。1つは、大企業が行うマーケティング活動との違いを整理するためである。特に、従来の中小企業研究では中小企業のマーケティング活動は「特殊技術の開発」やビジネスネットワークを利用して、大企業のマーケティング活動と同調する、といった2点に集中するため、中小企業のためのマーケティング理論の開発が難しかった。今回の研究は、中小企業のためにマーケティング活動の可能性を開発するために、この整理が不可欠と考えられる。そして、もう1つの意義は、27年度で日本と台湾で質問票調査を展開する予定なので、その質問項目の整理である。
理論と質問項目について十分な整理をしなければ、無謀に質問票調査をおこなっても、建設的な結果が得られないから、この整理作業が重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存研究の整理の部分は概ね予定通り進行しているが、質問票調査のための質問項目の開発は、予定より少し遅れている。
その理由は、本研究の他に、「旅行者の観光動機変容の研究-日・台国際観光へのネット・くちコミ・メディアの影響-」という研究分担があって、現地調査など時間が予定よりかかったためである。これから、27年度の調査をスムーズに展開するために、遅れた分を取り戻すように努力する。
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今後の研究の推進方策 |
26年度で整理した中小企業のマーケティング活動に関連する内容を精査して、日台の比較研究のための検証仮説と質問項目を開発し、実際に調査を展開していく。
そして、年度内に回収した調査結果の分析を行う予定。 整理が出来た段階、研究集会や学会で報告する予定である。
予想する課題、9月に私が琉球大学に移籍するため、研究室の引っ越しや、新しい職場での調整など、研究の進捗に影響が出る恐れがある。そして、円安がすすんでいるため、台湾で集めるサンプル数は、予定より減少する可能性がある。出来るだけ、支障が出ないように努力を尽くす。
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次年度使用額が生じた理由 |
手数料による誤差。
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次年度使用額の使用計画 |
誤差範囲内なので、特に使用計画はない。
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