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2015 年度 実施状況報告書

「包括利益の表示に関する会計基準」の適用と株価形成

研究課題

研究課題/領域番号 26380594
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 美穂子  東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (20438104)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード包括利益
研究実績の概要

本研究の目的は,「包括利益の表示に関する会計基準」の適用前後において包括利益およびその他の包括利益情報の有用性に変化が見られた否かを事後的に検証することにある。本年度は,上場企業の2002年から2012年のデータのうち,分析に必要なデータが入手できた22,575(社-年)サンプルを用いて,1.その他の包括利益が純利益に対して追加的な情報内容を有しているか否か,2.表示方法の変更にともなって,その他の包括利益の追加的な情報内容に変化が見られるのか否かを,(1)疑似その他の包括利益(項目)が貸借対照表に表示されていた期間,(2)疑似その他の包括利益(項目)が貸借対照表と株主資本等変動計算書に表示されていた期間,(3)その他の包括利益(項目)が損益計算書あるいは包括利益計算書で表示されるようになった期間の3期間に分けて検証した。
分析の結果,いずれの期間においても,純利益のみを用いたモデルと比較して,純利益とその他の包括利益を用いたモデルの方がリターンの変動を捉えることが示された。また,3つの期間毎に推定した純利益とその他の包括利益を用いてリターンを説明するモデルの調整済決定係数の(点推定)値は,直近の期間になるにしたがって高くなることが示された。しかしながら,調整済決定係数の信頼度95%に対する信頼区間をbootstrap法に基づいて推定したところ, 3つの期間で信頼区間が重なることが示されたことから,表示形式の異なる3つの期間において,その他の包括利益の追加的な情報内容に差があると結論づけることはできなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度に実施した研究の概要を英文ディスカッションペーパーにまとめて公表する予定であったが,草稿の段階にあり,公表には至っていないため。

今後の研究の推進方策

本年度と同様の分析を,包括利益の表示に関する会計基準の適用前後の2期間に分けて行う。さらに,先行研究と本研究で用いたモデルおよび分析結果の差異を明確にし,本研究の貢献を明らかにした上で,実証結果の頑健性を多様な角度から検証する。

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公開日: 2017-01-06  

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