研究課題/領域番号 |
26380596
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
柊 紫乃 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (10609952)
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研究分担者 |
宮地 晃輔 長崎県立大学, 経済学部, 教授 (60332011)
澤邉 紀生 京都大学, 経営学研究科, 教授 (80278481)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ビジエス・エコシステム / 地域連携 / 地域金融機関 / 企業城下町 / 産業立地 / 地域振興 / 会計専門家 / 産業競争力 |
研究実績の概要 |
初年度にあたり、まずは関連諸分野の書籍、論文のレビューを各自が行った。学際的領域であるため、進化経済学、産業地理学、企業・組織論、産業論、地域連携、地域金融、その他、関連領域について広く文献を精査した。 同時に、実際の中小企業における経営課題調査として、有機的実践を行っている中堅企業へのヒアリング調査を行い、また、製造業を中心に課題意識を持つ企業コンソーシアムに参加することにより、実務課題への研鑽を深めた。 それらの相互確認を含め、2回の研究打合せ、3回の研究会、および1回のSkypeによる研究打合せを行い、それぞれの研究進捗を確認するとともに、各自の分担領域をカバーしあう相互報告を行った。また、期中より、当該研究会および学会発表(後述)に、ビジネス・エコシステムを専門分野とする熊本学園大学、吉川晃史准教授を研究協力者としてむかえ、本研究進捗の充実を図ることとした。同氏は次年度以降も研究協力予定である。 そのうちの1回は、学会発表準備を兼ねて、関連分野の専門家のアドバイスを受けた合同研究会であった。北海道大学、小樽商科大学の地域関連研究者の指摘を受けることで、地域をキーワードにビジネスエコシステムの形成と発展についての相互知見を深めた。 また、別の1回は、研究途上で明らかになった、地域ビジネス・エコシステムにおける地域金融機関の重要性を精査するため、他プロジェクトとの合同開催により、金融機関関係者に呼びかけた金融サミットを開催した。学術・実践の両面において有効な知見交換ができたことで、次年度以降も、継続開催を検討することとなった。 これらの研究成果をまとめた学会発表を初年度末の3月の進化経済学会において実施した。当初予定していた3地域についての地域実践を報告するにあたり、期中より参加した研究協力者も一緒に報告し、次年度以降も研究協力を継続することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連分野が広範なため、先行研究レビューはまだ途上であるが、当該研究分野の位置づけはある程度明確になりつつある。 定期的な研究会開催および、情報交換を実施できており、研究分担者が各担当地域において実践的研究を鋭意進めている。 それらの結果をまとめ、現時点での研究成果を研究代表者、分担者全員がテーマをもって進化経済学会で発表し、一定の評価を得ている。これについては、次年度以降の論文執筆に向けて順魏を始めている。 さらに、期中において、当該分野を専門とする研究協力者を得ており、次年度以降も研究協力する見込みである。また、東京大学CARF-PJとの連携による調査、研究会なども実施しており、異なる研究テーマの中の学際的共通分野についての相互研鑽ができた。これらは、当初見込みの他に得られた成果であり、次年度以降への継続進展が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
先行研究レビューは継続しつつ、2年目にあたる平成27年度は、各分担地域事例の比較、理論化を進め、ビジネス・エコシステムとしての地域に関わるリサーチ・クエスチョンをより明確にする。 また、実施調査を進め、相互地域調査により前述の相互比較を深める。さらに、初年度に成果を得た、地域金融関係者との連携サミットの第2回開催を、関連他地域で実施する。 年度後半には、それらの成果をまとめ、論文執筆に入る。また、最終年度における海外発表の設定と、それに関わる準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
レビュー用文献の手配が遅れているものが若干あることと、期中の研究会に、研究代表者が体調不良により1回欠席したため、当該旅費を使用しなかったことにより、若干の次年度使用額が発生している。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度において、当該レビュー文献を確保すること、および、旅費については、今年度期中より追加参加している研究協力者の研究会等旅費に充当することで、より研究成果につながる研究費使用になることを見込んでいる。
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