研究課題
本研究の狙いは、企業説明責任報告(corporate accountability reporting)の経済効果をめぐる実証的な証拠を蓄積していくことにある。企業説明責任報告(corporate accountability reporting)とは、従来の株主を対象とした受託責任の枠組みを拡大させ、社会や環境、ガバナンスなども含めた様々なステークホルダーに対する説明責任を図るための体系を示しているが、それに関する実証的な証拠は必ずしも十分に蓄積されてこなかった。このため、本研究では、既存の財務会計の枠組みがどのような役割を果たしているかを確認するため、経営者による業績予想利益と実績利益の属性の違いの他、連結利益と単体利益の利益属性の違いなどについても明らかにした。また日本企業が他国企業と比べて利益率が低い点にフォーカスをあて、日本企業の説明責任のあり方が他国企業と異なることを明らかにした。これまでの財務会計の枠組みにおける受託責任の体系に加えて、近年、注目度が高まっている社会、環境、ガバナンスなどについての実証的な研究の蓄積も進めた。とりわけ日本企業のファンダメンタルを前提としたうえで、社会、環境、ガバナンスの要素をいかに取り込むかを明らかにすることを狙いとして、稼ぐ力やリスクテイクを促すコーポレートガバナンスのあり方を検討したほか、社会や環境が必ずしも企業説明責任報告の枠組みに入ってこない理由について、研究代表者が座長として参加しており、日本企業のCSR責任者の多くが参加するCSR研究会(企業活力研究会)でインタビューをし、その理由についても整理した。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
ニッセイ年金ストラテジー
巻: 251 ページ: Forthcoming
Kenji E.Kushida, Yuko Kasuya, and Eiji Kawabata(編) ”Information Governance in Japan: Towards a New Comparative Paradigm”, Stanford Silicon Valley(図書所収論文)
巻: e-book ページ: -
企業会計
巻: 68(7) ページ: 977-980頁
巻: 68(8) ページ: 1134-1139頁
巻: 68(9) ページ: 1272-1277頁
會計
巻: 190(6) ページ: 649-663頁