本研究の狙いは、企業説明責任報告(Corporate Accountability Reporting)の経済効果をめぐる実証的な証拠を蓄積していくことにある。企業説明責任報告とは、従来の株主を対象とした受託責任の枠組みを拡大させ、社会や環境、ガバナンスなども含めたさまざまなステークホルダーに対する説明責任を図るための体系を示しているが、それに関する実証的な証拠は必ずしも十分に蓄積されてこなかった。本研究は従来の財務会計の枠組みに基づく日本企業の受託責任のあり方を実証的に検討しつつ、新たな企業説明責任報告の実態や経済的影響について、サーベイ調査やインタビュー調査を通じて明らかにした。
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