研究課題/領域番号 |
26380600
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中野 誠 一橋大学, 商学研究科, 教授 (00275017)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 無条件保守主義 / 条件付保守主義 / 投資行動 / リスクテイク |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、成熟・低成長時代を迎えた日本企業の会計行動とリスクテイク行動が、会計数値特性に与える影響を解明する点にある。具体的には、保守的会計行動(無条件保守主義および条件付き保守主義)が投資行動・リスクテイクに与える影響を実証的に分析することを狙いとしている。 平成26年度の研究実績として明記できる事柄としては、第1に国内外での研究報告をあげることができる。具体的には、Asian-Pacific Conference on International Accounting Issues、日本銀行金融研究所ワークショップ、日本政策投資銀行アカデミックセミナー、Waseda Organizational and Financial Economics Seminar等において研究成果の報告を実施した。第2に論文として、「会計上の保守主義が企業の投資水準・リスクテイク・株主価値に及ぼす影響」を『金融研究』(日本銀行)第34巻第1号にて公表した。 主な分析結果は次のとおりである。条件付保守主義に関しては、その程度が高い企業ほど、投資が抑制されるほか、投資を実行する場合には、リスクの低いタイプの投資を行っているとする証拠が得られた(自己規律効果)。他方、無条件保守主義に関しては、その程度が高い企業ほど、より多くの投資を行っているほか、投資を実行する場合には、リスクの高いタイプの投資を行っているとする証拠が得られた。これらの現象は、無条件保守主義の程度が高いほど、条件付保守主義による業績の下振れリスクが限定的になることを通じて、経営者のリスクテイク余力が高まり、リスクの高いプロジェクトへの投資を行うようになることを示唆している(リスクテイク促進効果)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、平成26年度は先行研究の整理、データベース構築を主たる作業に据えていた。しかしながら、国内外での研究報告の機会に多くの議論を実施できたおかげで、当初の予定よりも速いスピードで実証分析を進めることが可能となった。その成果物としての論文も『金融研究』(日本銀行)に平成27年1月に公表することができた。積極的な研究報告を通じて多くのアイデアと刺激を受けたことが、研究進展を加速した理由である。
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今後の研究の推進方策 |
最重要なのは、当初の計画通りに研究を推進していくことである。それに加えて、研究が計画以上に進展していることを勘案し、研究成果をまとめた研究書の公刊を計画している。実際に出版社とも交渉を開始し、研究期間の終盤には研究書を公刊することを目指している。
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