本研究は、(1)監査人の知識が監査法人内の個人および組織自体によってどのように獲得・共有されているのかをネットワーク分析の手法を用いて明らかにするとともに、(2)監査法人内における知識共有のあり方が結果としての監査の質にどのように影響しているのかを分析することを目的とする。 ある大手監査法人を例として実施したネットワーク分析の結果、2006年度において大きな変化があったことが明らかとなった。また、2005年度以前は、パートナーがどの程度の職業的懐疑心を発揮するかは、当該パートナーと協働している他のパートナーに影響されていたが、2006年度以降にはそうした影響がみられないことが明らかとなった。
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