研究課題/領域番号 |
26380604
|
研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
山口 直也 青山学院大学, 会計プロフェッション研究科, 准教授 (50303110)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 管理会計 / PFI/PPP / 意思決定 |
研究実績の概要 |
平成26年度はまず、PPP(Public Private Partnership)方式によるインフラ整備・運営事業について全般的な特徴と事業の種類ごとのビジネス・モデルの特徴を整理してきた。事業の種類については、ごみ焼却施設、水道施設、下水処理施設、空港、自動車交通インフラ(道路・トンネル・橋梁)、鉄道インフラを対象として、ビジネス・モデルについては、PFI(Private Finance Initiative)、コンセッション、民営化を対象として考察を行ってきた。 さらに、日本企業が参入したPPP 方式に基づく国際インフラ整備・運営事業について、文献に基づく整理を行うとともに、調査に応じてくれる企業に聞き取り調査を行った。具体的には、ベトナムやインドといった新興国におけるごみ焼却及び発電事業への取り組みについて調査した。 また、インフラ整備・運営事業のうち、廃棄物処理施設整備・運営事業における原価計算情報を取り上げ、「一般廃棄物会計基準に基づく原価計算情報の計算構造からみた情報特性」として論文に取りまとめた。論文では、一般廃棄物会計基準に基づく廃棄物原価計算の計算構造を明らかにし、本基準に基づく原価計算は、(1)市町村を会計主体とした原価計算、(2)実際活動量(もしくは実際操業度)に応じた実際全部原価計算、(3)部門別費用と種類別費用の算定段階での配賦計算,という3つの特性を有しており、この情報特性から、コスト・マネジメントを支援する情報としての役立ちには限界があることを主張している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施計画では、平成26年度において、日本企業が参入したPPP 方式に基づく国際インフラ整備・運営事業について、調査に応じてくれる企業やコンサルティング会社を対象に順次聞き取り調査を行っていくとしていたが、現時点では一事業者に対する聞き取り調査にとどまっている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27 年度は、PPP方式によるインフラ整備・運営事業について、全般的な特徴と事業の種類ごとのビジネス・モデルの特徴の整理を継続する。さらに、日本企業が参入したPPP 方式に基づく国際インフラ整備・運営事業について、文献に基づく整理と聞き取り調査を実施し、事業ごとの特徴と課題を整理するとともに、プロジェクト・ファイナンス、契約管理、収益管理、原価管理、リスク管理といったプロジェクト・マネジメントのマネジメント要素について、①インフラ事業全般に共通するもの、②実施国・地域ごとの環境要因(法制度(法環境)、取引慣行・産業構造・集積度等(経済環境)、自然環境)に起因するもの、③電力事業、水事業、運輸事業といった事業の種類ごとに固有のもの、を区分しながら、その特徴を明らかにしていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費については、計画より書籍購入額が少なかったため残額が発生した。 旅費については、計画より調査先が少なく、かつ、調査先が勤務先の近隣であったため、残額が発生した。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額については、主に聞き取り調査の旅費として使用する予定である。
|