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2018 年度 実績報告書

利害調整機能と情報提供機能の数理モデル分析:連単の関係はどうあるべきか

研究課題

研究課題/領域番号 26380605
研究機関新潟大学

研究代表者

加井 久雄  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (10303108)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード国際会計基準 / 連結財務諸表 / 単体財務諸表 / 利益操作 / 利益管理 / モラルハザード / 原価計算基準
研究実績の概要

本研究は,財務会計の機能を会計基準の国際的統合化の文脈の中で数理モデルを使って検討するものである。
今日では単体財務諸表(個別財務諸表)よりも連結財務諸表が主たる財務諸表と認識されている。Walkerの研究によれば,イギリスでは,単体財務諸表上,他の企業などへの投資は取得原価によって評価される。これでは投資家への情報提供として不十分であることから,単体財務諸表を補完するための投資情報の提供手段として連結財務諸表が作成されるようになったとしている。しかしながら,持分法など他の方法と比べて連結財務諸表の作成が優れた投資情報の提供に役立つ理由については検証されていない。また,Walkerの研究によれば,アメリカでは,トラストの代替的な装置としての持株会社が利用されるようになり,その持株会社の収益性や安全性を表示する手段として連結財務諸表が作成されるようになったとしている。しかしながら,持分法など他の方法と比べて連結財務諸表の作成が持株会社の収益性や安全性を示すヨリ優れた方法と言える根拠については検証されていない。本年度の研究は,主に,経営者の利益操作防止の観点から連結財務諸表の存在理由を検証しつつ,単体財務諸表と連結財務諸表の関係を検討している。
具体的に今年度の研究では,経営者のモラル・ハザード・モデルを利用して,企業集団内で起こりうる様々なタイプの利益操作について,連結財務諸表が経営者による利益操作の効果を減殺する条件を明らかにした。この研究の一環として,連結財務諸表は連結範囲の企業の単体財務諸表の数字を同じ重みで合算して作成されるが,そのような実務が合理性を持つのは極めて特殊な場合であることも明らかにした。
なお,前年度の研究の派生として,「原価計算基準」を会計基準の国際的統合化の中でどのように位置付けることができるのかも検討した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 「原価計算基準」の設定と維持の法的根拠の変遷2018

    • 著者名/発表者名
      加井久雄
    • 雑誌名

      會計

      巻: 194 ページ: 69-81

  • [学会発表] Consolidated Financial Statements and Earnings Management2019

    • 著者名/発表者名
      Hisao Kai
    • 学会等名
      European Accounting Association
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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