インターネットによる情報開示や株式市場における高頻度取引が普及するなど、企業の財務報告環境は大きく変化している。投資家は、取引時間内に開示された年次決算短信をリアル・タイムで入手し、それに基づいて株式売買を高速で行うことができる。本研究では、年次決算短信が開示された時刻を正確に特定し、日中取引データを用いて会計情報の有用性を調査した。分析結果は、年次決算短信の開示時刻直後に出来高が急増し、年次決算短信で開示された会計情報、とりわけ次期の経営者予想利益が素早く株価に織り込まれることを示唆している。
|