研究課題/領域番号 |
26380619
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
菱山 淳 専修大学, 商学部, 教授 (00279598)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リース会計 / 使用権モデル / 資本化 |
研究実績の概要 |
第二年度の調査研究は、我が国上場企業の財務データ分析とアンケート調査を実施し、リース契約の会計処理に対する企業行動の実態、資本化モデルに対する選好、および資本化回避行動の動機について直接的に観測することである。このうち前者(財務データ分析)の研究成果については、国際会計研究学会において報告することができた。財務データ分析で採用した研究方法は、企業の公表する財務データを対象として、調査期間を1993 年のリース会計基準設定以前、1993 年のリース会計基準設定以後、2007 の年リース会計基準改訂以後の三つの期間に分け、各期間において、企業がリース契約の資本化に対してどのような選択を行い、その選択が各期間でどのように変化してきたかを調査分析した。その分析から、企業行動の特徴点を明らかにするとともに、国際会計基準審議会によって改訂が進められているリース会計基準に対して、企業がどのような行動を選択するかを推定的に指摘した。また、国際会計基準の新リース会計基準の論点に関しては、学内誌に論文を投稿した。一方、後者のアンケート調査については本年度は実施できなかった。これは、当初予定されていた国際会計審議会によるリース会計基準の公表が遅れたためである。国際会計基準審議会によるリース会計基準は本年1月に公表されたため、アンケート調査については、その有効性を含め再検討するとともに、有効と判断される場合には本年度実施することにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の全体は、当初の計画に従いおおむね順調に推移している。研究成果も公表することができ、これまでに発見できなかった文献や分析結果を導き出すことができている。ただし、研究対象の一つである国際会計基準審議会によるリース会計基準が、予定の時期を大幅に過ぎてから公表されることとなったため、この分析に関してやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、最終年度となるため、遅れが生じている研究部分の再検討を行うとともに、これまでの研究成果を総括する作業を行う。また、第二年度に引き続き会計学関連の学会における報告および学会誌等への投稿を行うことにより、本研究の成果を広く問うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象となる国際会計基準審議会によるリース会計基準の公表が、当初同審議会が予定していた公表日から大幅に遅れたため、この分析研究に関して遅れが生じ、それに伴い支出予定額が未使用となったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
国際会計基準審議会によるリース会計基準の公表が大幅に遅れたため、これに対して行う予定であった企業へのアンケート調査については、その有効性を含め再検討を行う。企業へのリース会計基準の十分な浸透に時間を要するため、アンケート調査の結果が有効かどうかを見極める必要があるからである。アンケート調査が依然として有効であると判断される場合には、これを実施し、リース会計基準に対する文献調査など他に有効な調査研究がある場合にはそれを実施する。
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