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2015 年度 実施状況報告書

管理会計システムの影響機能に関する理論的・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26380620
研究機関中央大学

研究代表者

渡辺 岳夫  中央大学, 商学部, 教授 (00294398)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード影響機能研究 / 方向づけ機能 / 動機づけ機能 / チーム効力感 / インタラクション
研究実績の概要

本研究の目的は,組織行動に対する管理会計システムの影響機能を解明することであり,そのために網羅的な文献のレヴューを通じて影響機能に関する研究を整理・統合し,理論的な分析モデルを構築することである。
本年度は昨年に引き続き,組織心理学,社会心理学,教育心理学に関連する構成概念,およびインタラクティブ・コントロールといった管理会計システムの影響機能研究において今後重要な位置づけが想定される概念について,綿密な文献レヴューを行った。
その結果,チーム効力感(「集団や組織において自分たちの集団の成員は,問題を解決し継続的な努力を通じて活動を改善できるという集団の効力感(Bandura,1997)」,チーム内インタラクション(「チームが目標を追求する際にメンバー間で行われる相互作用(Mathieu et al.,2006」),およびチーム間インタラクション(「チームが目標を追究する際に他のチームとの間で行われる相互作用」)という心理的な構成概念が抽出され,それらをベースとした理論的な分析モデルの構築を行った。
より具体的に言えば,例えば,当該の管理会計システムを通じて組織成員がどの程度自己の行動の方向づけを行えているのかを捉える「結果予期」,および管理会計情報を通じて自己の職務努力をどの程度実感できているかを捉える「努力実感度」といった管理会計システムの影響機能を補足する構成概念が,上述したチーム効力感,チーム内インタラクション,およびチーム間インタラクションという心理的な構成概念を媒介して,動機づけと方向づけにポジティブな影響を及ぼし,結果としてチーム・パフォーマンスを促進することを明らかにする分析モデルを構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的に照らして,概ね順調に研究が進捗している理由は,当該研究課題に対して振り向けることができると予定していたエフォートを,予定通りに傾注できたということである。

今後の研究の推進方策

本研究課題を今後推進するために必要な方策は,組織心理学,社会心理学,教育心理学に関連する構成概念,および管理会計システムの影響機能に関連する構成概念について,引き続き文献のレヴューを行うとともに,実務家に対するヒアリングを実施し,前年度までに構築した理論的な分析モデルのリファインを継続的に行うことである。
また,本年度は上場企業に対して,管理会計システムの影響機能の実践状況をサーベイするよていであるが,そのためのアンケート調査において,いかに回収率をアップさせるかが課題として挙げられよう。近年,アンケート調査における回収率は研究領域を問わず全体的に漸減傾向にあるので,質問項目を作成するにあたっては,その数をなるべく絞り込むとともに,回答者がストレスなく回答できるように分かりやすい表現を用いるなどの工夫が必要だと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] アメーバ経営システムにおけるプロフィットセンター化の方法の探索:西精工㈱の収益計上方法に関するケーススタディ2016

    • 著者名/発表者名
      渡辺岳夫
    • 雑誌名

      産業経理

      巻: 75巻4号 ページ: 35-47

    • 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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