研究課題/領域番号 |
26380624
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
井出 健治郎 (井出健二郎) 和光大学, 経済経営学部, 教授 (70267425)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療法人会計基準 / 医療法人 / 地域包括型法人 / 財務会計 |
研究実績の概要 |
研究は、医療法人関連の会計基準制度を概観するとともに、社会福祉法人会計基準などの周辺会計基準についても精査することができた。研究期間の第2年度目ということもあり、初年度に行ったアンケート調査、本年度実施したアンケート調査などを基本的なデータの収集から、統計的な分析についても進捗した。医療法人会計基準については民間ベースで一定の取りまとめが行われている。厚生労働省は、その会計基準について理解を示しており、推奨する方向である。 また、研究タイトルにもあるように、医療法人が行える事業はこの10年の間にかつてないほど多様なものとなっている。それは、医療法人が医療・介護の担い手の中核である ことをよく示しており、納得できることではある。そうした事業の拡大は、それだけ医療法人経営活動も拡大し、それを写像する場合、新たな会計基準が必要とされる。民間が策定した医療法人会計基準はある時期までの活動範囲を網羅するものの、すでに地域包括ケアなどの新たな医療連携は医療法人の事業に大きく影響しているが、それには対応しきれていない。 こうした点からも、医療法人の会計基準は常に医療法人の拡大する事業とマッチしていく必要があり、一度設定したからと言って完成版とは言えないことが露呈した形となっている。また、実務へのアンケート結果を分析する中で、あまりに会計基準がテクニカルになってきているという意見がある。また、会計基準が変化することによる会計システムの対応も予算計上しにくいという意見もある。これらをどのように包含しながら、医療法人会計基準を設定していくか、模索の年度であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査、ヒアリングなど順調に市井の会計基準に対する意見徴集が達成できた。その一方で、会計基準モデルを構築していくには実績にも既述したように、模索の年度であった。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には初年度、第2年度は計画通りの進捗といえた。もちろん、課題や模索点など考察する論点も散見されることになったが、そうした検討点を是として、最終年度に取り組み、一定の成果を結実させたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
謝金や人件費支出において、代表者自身が可能な範囲をカバーしたことは使用額に差が出た点といえます。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度においては成果を外部に問うことなど、専門家への伺い等謝金も一定程度生じると思われます。
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