研究課題
基盤研究(C)
本研究では、戦後日本で展開された農業簿記が、農業経営の発展や競争力強化に資することができなかった理由を明らかにした。戦後日本において展開された農業簿記は、農業税務簿記、農業統計調査簿記、農協簿記の3つに分類されることが本研究により明らかになった。しかしながらそのどの流れも,「簿記」ならば当然の前提である「記録」に拠って立っておらず,したがって,「簿記」ならば当然把握できたはずの農産物原価を把握できず,結果的に,真の農業簿記の目的である「農業経営の発展に寄与する」ことに,言い換えれば,農業の競争力向上に寄与できなかったのである。以上の考察結果が,本研究における最終的な研究成果である。
簿記会計学