決算短信において経営者が予想するコスト変動と、それを受けて組織の外部者である証券アナリストが予想するコスト変動を比較分析した。分析結果はアナリストが経営者よりもコストを過少に見積もる傾向にあることを示している。この結果は、研究論文として取りまとめ、査読機関のある雑誌へすでに投稿した。 ある企業の内部データを利用したコスト変動とそれに影響を与える要因を実証的に分析し、研究結果をワーキングペーパーとして取りまとめた。また、ワーキングペーパーに基づいて、日本会計研究学会全国大会(広島大学)において「前年比業績を用いた業績評価がビジネスユニットのコスト変動に与える影響」と題する研究発表を行った。 日本企業の報告財務データを用いてアメリカの研究者とコスト変動に関する共同研究を進めており、研究成果はワーキングペーパーとして現在取りまとめている。この論文を基に、2018年の7月に開催される国際学会で発表し、そこで得たコメントをワーキングペーパーに反映させ、学術誌へ投稿予定である。 「固定費の変動費化」が一部の企業で経営課題として注目を集めている。これを背景に、固定費と変動費がどの程度の期間にわたって安定的なのかについて実証研究を進めた。まず、変動費を固定費の動向を捉えることが重要なためである。分析結果は、変動費の固定費化が見られることを示唆するが、分析方法や変動費の固定費化に影響を与える要因の特定を含め、現在も継続的に研究を遂行中である。
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