まず、財務情報を市場全体で集計した場合に、それがマクロ経済環境とどう関わるかを検証した。大規模企業の純営業資産利益率(RNOA)とデュポン分析のドライバーは、1期先のGDP成長率と統計的に有意な相関を示した。つぎに、環境関連投資を手掛ける企業の事業環境と会計情報との関係を調査した。その結果、環境保全コストに対して、ROEは正の、裁量的会計発生高は負の影響をもたらすことが明らかになった。最後に、企業評価に資する情報が事業環境に応じて異なることを、会計不正を題材として分析した。生産性の代理変数を調整しても、利益の意図的な増加は、人的な投資を過剰にする副作用があることが確認された。
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